『 技術派遣の法則 』

コンピュータ系の転職者のみなさんと話していると、時々「私は派遣でこんなキャリアを積んできました」とおっしゃる人がいる。「派遣社員として、業界大手の○○社で数年働いてきた。だから○○社レベルの仕事が自分にはできます」と。果たして現状はどうなのだろうか。

転職市場で技術者が評価されるポイントを、みなさんはご存知だろうか。20代前半では、技術知識が高ければよい。だが20代も後半になると、いかにクライアントを理解しているかという業務知識が求められる。30代になるとさらに、プロジェクトや部下を管理するマネージメントスキルが求められる。今までの技術系派遣では、技術知識以上のものを得るのは難しいとされてきた。最先端の企業を職場にしていても、得られているのは最先端の技術知識だけであろう、と。ドライな話だが外資系の中には、派遣期間を採用評価に一切加味しない企業も、以前は確かに存在した。つまり、いくら多くの有名企業を渡り歩いてきても、技術知識以上のスキルがあることを認めてもらいにくい、というのが今まで派遣技術者の置かれてきた立場だったのだ。

では、技術者派遣は働く者にとってメリットの得がたい雇用形態なのかというと、そうではない。まず、技術系職種の登竜門としての活用方法がある。多くの派遣会社には、手厚い研修体制や資格取得支援制度が用意されている。様々な企業の風土を実地に見て企業選びの参考にできる利点もある。さらにそこそこの収入が得られるので、転職活動の資金集めにもなる。技術知識しか求められない20代前半のうちにコンピュータ系職を始める出発点として1~2年派遣を経験する、というこの方法は、かなりポピュラーである。

そして20代後半から、転職市場にも対応しうるキャリアを派遣で積みたいと考えるのなら・・・。技術知識以上のスキルをどうやって身に付けるか、を充分考えて仕事に取り組んで頂きたいのだ。派遣会社の中には、派遣技術者が今まで抱えてきた問題点を考慮し、業務スキルやマネージメントスキルをも養えるような仕事を任せる会社が増えてきている。今、しばらく派遣を続けるつもりでいる人も、そのような会社を選んでおいて決して損はないはずだ。自分がそこでどのようなステップを踏み、どのようなスキルを身に付けていけるのかを念頭に置いた上で、派遣会社をしっかり選んで頂きたいのである。