『 評価の法則 』
人はどんな時に転職したくなるのだろうか。私が思うに、それは“評価のバランス”が崩れたときなのだと思う。私たちは日々、様々な相手から評価されながら生活している。会社組織に属する人々で言えば“社内の人事考課”“顧客からの評価”“所属する現場からの評価”そして“自分自身からの自己評価”等が考えられるだろう。これらが均衡を保っている時が、いい状態、つまり満足して働ける状態。反対に、例えば自分ではよくやったつもりなのに給料が上がらない…、という時が均衡の崩れた状態である。
以前転職相談に来たKさんの例を挙げてみよう。Kさんは当時31歳のユーザーSE。資材メーカーの社内システム全般を構築するSEとして社員登用され、3人の同僚と共に仕事にあたってきた。積極的な性格で、新しい技術を採り入れドラスティックに改革していくべきだと考えていたKさんは、社内の上層部にも日頃から様々な提案を行なっていた。対して、同僚の3人は何となくやる気がない。古くなっていくシステムに対する危機感は持っているようだが、テコでも上層部を動かすような気概は感じられない。“ここは俺がリーダーシップをとらなければ”と、Kさんは常々考えていた…。
ところがある日、Kさんの現場に辞令が降りた。会社は、今まで総務課に属していたKさんらを“システム課”として一部門に格上げ。Kさんは自分がその長にとうぜん選ばれるものと思ったのだが…。なんと、課長に任命されたのは、Kさんでなく、Kさんが馬鹿にしていた他の同僚だったのだ。
「まったく納得のいかない話だと思いませんか」。Kさんは、私にそう訴えるのだった。「でも」、と私は反論してみた。「会社の上層部は、あなたをタカ派、他の同僚を穏健派と見なしていたのかも知れませんね。ご自分の業績だけでなく、評判めいたことも、あなたは確認していましたか?」
会社とはそこで働く以上、あらゆる視点からどう評価されているのか、常に意識しないといけない場所だ。顧客・会社・同僚から期待されていることを敏感にキャッチし、応えていくことで“評価のバランス”を保っていかねばならない。この均衡が崩れると、どこかから亀裂が広がっていくものなのだ。よく「人事考課に納得できない」と言う人がいるが、なぜそのような評価を受けたのか、理解しておいて損はないと思う。自己評価より他者からの評価の方が低い…。そこには必ず何か理由が存在するのだ。そしてその理由の中に、あなたが他者から期待されている物事がある。辛い作業かも知れないが、理解しないまま転職考えたとしても、同じ轍を踏むだけだと私は思うのだ。
![転職、派遣、アルバイトまで!求人メルマガ [en]キャリアニュース](http://columnjob.en-careernews.com/images/en_logo.gif)
