『“資格のツボ”の法則 』
「私は先日36歳になってしまったんですが、転職できないのでしょうか」最近、これに類するご質問を転職者の方から時々受ける。聞けば、雑誌などで、“35歳までが転職可能なギリギリの年齢”という言葉を目にしたらしい。「35をとうに越えた私が転職活動しても難しいですよね。でも職場を探さないわけにはいかないし…」と、相談主は活動前から落ち込んでいる。
「そんな記事、真に受けることはないんですよ」と励ましてみるのだが、その励ましさえも、“好意の嘘”と取る人が多いのには心が痛む。年齢そのものよりも、年齢を気にして弱腰になる姿勢。そちらのほうがよほど、転職活動には不利に働く。実際、企業と転職者の間をつなぐ我々人材エージェントの経験からしてみれば、年齢制限などは案外“どうにかなる”存在なのに。
例えば、先日出会った38歳の営業マン、Uさん。彼が面接を受けた企業は当初“資格年齢34歳まで”としていた。念のため、私は事前に人事担当者に確認する。「38歳の方ですが、業界経験と技術知識をかなりお持ちです」すると「あの資格は単なる目安ですから…。ぜひお会いしたいです」と返ってくる。実にあっさりしたものである。本当はこうした企業が大半なのだ。
Uさんは結局、技術知識を買われて採用された。その企業が、年齢よりも技術知識など、他のポイントに重点を置いて選考していたからだ。このように企業の提示する募集条件は、一見同じ項目が並んでいるように見えても、企業ごとに違う“優先ポイント”が存在する。年齢に重点を置く企業も勿論あるが、業務スキル、経験内容、人物的素質など、ポイントは各社それぞれだ。
では、なぜ企業によって募集資格の優先ポイントが違うのだろう。それはごく簡単なことだが、“求める人材像”が各社違うからだ。「年齢は多少オーバーでも、最低限、業務経験5年以上の人が欲しい」「業務経験があるに越したことはないが、何よりも意欲のある人が欲しい」という具合。年齢を気に病むより、そうした資格の“ツボ”を見極める方が遥かに大切なのだ。
逆に、こうも言える。志望企業の資格のツボを見極めた上で自分を売り込めば、ウイークポイントさえカバーできることにもなるのだ。それはUさんの例でもおわかりだろう。転職市場では、確かに年齢の低い人ほど歓迎されがちだ。しかし、絶対ではない。募集条件に書かれていることも、全てが絶対ではない。「この企業は本当はどんな人材を求めているのか」と考える。募集記事の全体から読み取る。企業に聞いてみる。「自分は条件を満たしていない」と落ち込む前に、そんな前向きな気持ちをぜひ思い出してほしいのだ。
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