『 不満の法則 』
明日にでも会社を辞めてしまいたい…。そんな感情につき動かされたとしても、たいていの人は、まず冷静になろうと努力する。“ここでキレたら、後で損をするだけ”“次の目星をつけることが先決だ”“今は我慢する時だ”…等々と自分に言い聞かせた経験が、皆さんにもないだろうか。そして多くの場合、当座の感情を上手く押さえ込むことだけに終始していないだろうか。
とりあえず危機を回避できたとしても、また何かのきっかけがあれば、同じことの繰り返し。感情を爆発させては自らなだめる、苦しい堂々巡りを続けることになる。すぐには会社を辞められない、または辞めないほうが良いと感じている場合、これは大変な精神的苦痛である。では、どうすれば堂々巡りから脱出できるのか。私がお勧めしたいのは、辞めたいと思う気持ちの根本を点検してみる作業だ。自分の“不満の出所”を整理してみるのである。
例えば不満の中核にあるものが“人間関係”なのだとしよう。あなたとコミュニケーション不全を起こしているのは誰と誰なのか。名前を書き出してみる。次に、それぞれの人と具体的にどう上手く行かないのか、事例を交えて個条書きにする。さあ、リストは出来上がった。大切なのはここからだ。
出来上がったリストを、できるだけ第3者的な視点で点検してみよう。この時に気をつけて頂きたいのは、全体を見るのではなく、あくまで個々の事例について考えるようにすることだ。不満というものはたいてい“積もり積もって”爆発するものである。ひとつひとつを見れば、これは転職理由に足らない問題かも知れないと思い直せるものも、少なくないのではないか。さらに、ビジネス上の考え方の相違ではなく、単に人間的に合わない人物に悩まされているのなら、彼らとビジネス上で付き合うメリットが存在しないかぜひ点検してみよう。嫌悪感と実利を天秤にかけ、本当に転職するほうが有利なのか、残ることに旨味はないのか冷静にジャッジしてみてほしい。
何といっても全体を通して念頭に置いて頂きたいのは、“この不満は、次に生きるものなのか”ということだ。組織人である以上、不満の中で働くことはある種、宿命とも言える。不満に食い潰されてはならない。私たちはむしろ不満を上手に活かし、先々の自己利益につなげていかねばならない。利にならない不満をきっかけに転職しても、大抵あなたが損をするだけなのだ。
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