『 働く目的の法則 』
登録者との面談で転職理由を問うと、よく「キャリアアップがしたいので」という答が返ってくる。一見、優等生的な返し方だし、何より無難だと思われているのだろう。皆さんも周囲から何気なく聞かれたりすると、つい“キャリアアップ”を引き合いに出して、耳ざわり良く答えてはいないだろうか…。
そんな時、私は続けて次のような質問をすることにしている。「では、そのキャリアアップについて具体的にご説明ください」と。きちんと答えられる人は、はっきり言って稀である。たいていはここで言葉に詰まったり、何だかあやふやな答しか返せない。自分のキャリアにおけるどの部分を、どのように、どのレベルまで伸ばしたいのか。結局は考えていなかったりする。
これでは“転職に対して明確な目的がない。つまりは現状に不満があるだけなのか”と思われても仕方がないだろう。企業の人事担当者も馬鹿ではない。建前だけの転職理由など、すぐに見抜かれてしまう。彼らの心を動かすには、皆さんもちゃんと自分の頭で考えた本音を語っていかねばならないのだ。
私が転職者の皆さんに対していつも思うのは、自分なりの“芯”を持って臨めばもっと物事が上手く運ぶはずなのに、ということだ。“キャリアアップ”などという上辺だけ聞こえのいい言葉でなく、あなただけの“明確な目的”を自分の中から見出して頂きたいのだ。また、それを誰が聞いても理解できるように語って頂きたいのだ。別に難しい内容である必要はない。他人にはどうでもいいと思われるようなものでもいい。例えば、メーカーから運送業に転職した私の友人の転職理由は“企業を相手にするより、街の人々と気さくに付き合う仕事がしたい”であった。この程度で十分なのだ。目的を明確に語れれば、その目的に見合った場所へ、おのずと近づけるものなのだから。
自分の望む所で、望む仕事を手に入れたいのに、あやふやな望みしか語れない。または、自分の中に根ざしていない望みしか語れない。これでは実現するものも実現しないし、本来望むところからどんどん離れていっても仕方がないだろう。あなたは働くことを通じて、何をしていきたいのか?職業人として、どうありたいのか?まずその意志を固め、周囲に表現していくことが何より重要なのだ。転職するしないに関わらず、ビジネスマンとして働く私たちは皆、自分の舵取りぐらい自分でしなければならないのである。
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