『 再挑戦の法則 』

一度不採用になった会社への再挑戦はできない、と考えている転職者の方を時々見かける。実際はできないことはない。充分可能だ。むしろそれなりの思い入れを持って再挑戦する転職者は、好意的に面接される場合も多々ある。

不採用から再試験受け入れまでの期間は企業によって違う。中には再挑戦を認めない企業もあるにはあるが、半年から一年程度で面接に応じる企業が主流だ。が、ベンチャー企業や、新興のIT系企業などの中には、「時代の速さに対応するため」に3カ月から半年程度で応じる所も増えている。つまり門戸は少しずつ広がりつつある。

では、どんな人が再挑戦を成功させるのだろうか。31歳の営業、Cさんの例を挙げてみよう。Cさんは通信系ハードメーカーA社の製品にユーザーとして惚れ込み、ぜひ営業としても製品を扱いたいと希望していた。だが、A社の面接を受けた結果は不採用。理由はCさんに業界経験がないことだった。

いつかきっとA社の社員として製品を扱う。Cさんはそんな思いを胸に他企業へ転職した。業界未経験者も採用する、A社の同業他社である。通信系ハード営業としての知識・経験、業界内での人脈…。Cさんはそこで自分に足りない部分を補い始めたのだ。ところがその会社が半年後に傾き始める。

Cさんは考えていた予定よりも早くA社への再挑戦を余儀なくされた。しかし、今度は見事採用。当たって砕けるつもりだったCさん自身も驚いた。A社は元々、前回の面接でCさんの営業スキルと熱意を高く評価しており、業界経験さえあれば採用したいと考えていたのだ。完全に充分とは言えないとしながらも、半年という短い期間内でCさんが得た知識と人脈も評価された。

私が担当する転職者の中には“再挑戦組”が他にも数人いる。それぞれ数年の計画で不足スキルをブラッシュアップ中だ。彼らを見ていると、私はビジネスの基本について考えさせられる。取引を断られた人が課題点を幾度も見直し、最後には成功させる過程と同じなのだ。再挑戦するからには、敗因を克服してくる。どんな世界でも最終的に評価されるのは、そんな人のようだ。