『 今、そこにある仕事の法則 』
有効求人倍率がとうとう0.5倍を割った。求職者2人に対し求人は1件未満という、あまりに厳しすぎる状況。今、元気で働ける職場があり、転職も考えていない人々の目に、この状況はどう映っているのだろう。もし“俺は大丈夫”と安心しているのなら…。最後にババを引くのは多分あなたの方である。
毎朝出社すれば目の前にたくさんの仕事があり、不況など意識する暇もないくらい忙しい。それはそれで結構なことだろう。しかし忙しさにかまけて、なにかを見落としてはいないだろうか。例えばこんな話がある。
業績堅調なメーカーの若手人事部員として、中途・新卒の採用活動を取り仕切っていたFさん。彼は“人事は一生の仕事”とひそかに思い、忙しくも充実した毎日を送っていた…。ところが、その人事部がある日消滅してしまったのである。Fさんの知らないうちに、人事をアウトソーシングする決定がなされたのだ。人事部は解散し、Fさんは販売部門へ異動。彼の“一生の仕事”は、いとも簡単に外部委託に取って代わられたのだった。
Fさんの話は他人事ではない。一生懸命やっている仕事が、この先も会社で必要とされる保証はどこにもないのだ。特に来年には派遣法が改正され、事実上あらゆる職種が派遣可能となる。組織のスリム化へと一気に動く企業も出てくるだろう。目の前に今仕事があるからといって、安心してはならない。
では、具体的にどう自衛していくべきなのか。最も手っ取り早いのは、自分の会社の状況を常に把握しておくことである。自分の所属部門が社内でどう評価されているのか。組織や経営方針が変更される兆しはないのか。早期の情報収集ができる人脈を持ち、自ら危機管理していくべきだ。そして、危機を迎えたとき目安となるのは、求人件数に差の出る35歳という年齢である。35歳未満はとっとと転職し、続けてきた仕事で更にキャリアを積む。反対に35歳以上は、職種転換してでも会社に残る道を探るほうが賢明だろう。
いずれにしろ肝心なのは“会社を変わっても、社内で職種転換しようとも、通用するスキル”を身に付けることである。ルーティンワークをこなす能力では、もう会社に残れない。“忙しい”というだけで充実した気分になっているあなたは、多分ルーティンワークの罠にハマっている。仕事をただ続けることが、喜びになってはいないだろうか。大切なのは、今そこにある仕事ではない。仕事を通じてどんな知識や能力を得たか、ということなのだ。
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