『 転職と在職の法則 』
いい転職をするためには、それなりのファイティングポーズというものがある。冷静に相手を見ながら、時には狡猾にファイトするのである。誠実な姿勢や真摯な態度だけでは世の中渡れないように、転職も成功しない。そこで、今週は“実践編”。私流の転職ノウハウを1つだけご紹介しようと思う。上っ面の理想ではなく、できるだけ現実に即して書くつもりだ。
さて、まず初めに言っておこう。もし今、転職活動をするために会社を辞めようとしている人がいるならば、どうか思いとどまってほしい。同じ転職活動をするにしても、在職中にするのと失業中にするのとでは、天と地の差がある。ぜひとも、今の会社を辞める前に、転職先を決めてほしいのだ。今の会社にケジメをつけたい?そんなケジメなんかどうでもよろしい。もう1日だって我慢できないほど辞めたくてしようがない?我慢しなさい。
なぜなら在職中の会社は、転職を強力にサポートする“ツール”だから。
まず第一に、保険としての働きが大きい。目先の生活がかかっていない分、あせって妥協する必要がないのだ。給与や仕事内容など、自分本来の目的を最優先に考えて転職先企業を選べる。面接先の企業が気に入らなければ、内定を蹴ることもできる。また、企業側に足元を見られることもない。失業中とわかっただけで、半分以下の年収額を提示されることもあるのだ。 企業側は、失業中の人より在職中の人を好む。同じような経歴やスキルでも、在職中の方が、有利な条件で転職できる。これが厳しい現実である。
しかし、働きながらの転職活動は困難だとお思いだろうか。そんなことはない。やり方ひとつで“平日昼間の面接”だって武器になるのだ。
相手に平日昼間の時間を指定されたら、絶対断らず、仕事を休んで駆け付けよう。日本の企業は経歴やスキルだけでなく“意気込み”も重視する。無理してウチの会社に来てくれた熱心な人、という印象が意外な高得点となる。アホらしいと思うかもしれないが、有休を使ってほしい。有休を使えるのも、在職中のメリットなのだから。有休を申請できないなら、風邪を引くのだ。
ともあれ、どんなに不快な環境でも“今、働ける場所”がある人は、その職場に感謝すべきだろう。ちゃんと居場所があるからこそ、次のことをじっくり考えられる。人材紹介会社の私が言うのも変だが、不可抗力でないかぎり、簡単に辞めるべきではないのだ。1つの会社で働き続けるほうが、えてして高い生涯賃金を得られるのだから。目当ての先が現れるその日まで、と割りきってもいい。その職場をキープしておくよう、強くお勧めする。
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